桐箱について
奈良時代に大陸から桐が伝来
箱文化はもともと宗教的な要素があり、奈良時代に大陸から仏具を収めるものとして桐箱が入ってきたとされています。この文化は今も続いていて、経箱、数珠箱などにも今も利用されています。 平安時代になると、貴族が使用し始め硯箱などの調度品の容れ物として使用されるようになります。 貴族文化ゆえに、箱自体も華美になっていきました。
室町期、茶の湯の流行に伴い桐箱が多様化
室町時代末期には茶の湯が流行り、茶人が作成した箱もできるようになります。様々な個性的な箱が世にでるようになりました。権力者が茶の湯に入れ込むようになる中で、桐箱はより多く使われるものとなります。
現代においては幅広く貴重品を収めるものとして普及
現在においては、仏具、調度品、花瓶など丁寧に扱う必要のあるもののために、また、衣料品、食料品、など柔らかい物をしまうために、桐箱の用途は広がっていましす。
湿気に強いだけではなく、カビや虫に強く、火に強い、軽い、そして柔らかい
1,000年以上もの間、桐箱文化が廃れることはありませんでした。その優れたところは、タンニンという成分が多く含まれカビに強く、防虫性能もあり、火に強いところです。現代においては、保存材などの技術が発展してはいますが、保存性に加えて高級感や意匠性に関してそのほかの包装よりも群を抜いているところがあります。 また、軽くて柔らかい性能も兼ね備えています。緩衝材の代わりになるようなクッション性もあります。