桐箱の作り方
桐箱作り
明治時代に創業した当社は、手作りを行なっています。自動化できる部分は自動化したものの、品質を考える、まだまだ手作業に頼る部分は大きいです。当社は素材の乾燥から製材。そしてその材を加工して完成品に至るまで一貫した生産を行なっています。
01乾燥
桐作りは素材作りから始まります。まずは、天然素材の桐材を乾燥(写真は自然乾燥)させるところから始まります。これにより、製品にしたときの乾燥や湿気により桐材が動くのを最大限に防ぎます。この工程を行わないと、作った当初は見た目には問題がなくても、日本における夏場の高湿度環境においては、歪みが生じることがあります。
02製材
桐材を製品に合わせて、丸太から板状にしていきます。当社の場合は、ベニア素材のものだけではなく、無垢素材の桐材の板を使用する場合自社にて製材を行っています。
03プレーナー加工
機械によるカンナがけのことです。製剤工程ではある程度ざらつきのある状態となりますので、手触りの良い状態にするためにカンナがけを行います。
04高周波乾燥(そり留め)
無垢の桐材の複数の板を接合させて一枚の板にするために使用します。通常の手による接着よりも高周波を使用することで高い強度の板を作ることができます。
05木取り(寸法合わせ)
板の寸法を合わせるために、木を裁断する工程です。複数枚を一度に機械で裁断します。
06箱組み(糊付け)
接着剤を板の側面に着けていき、板を貼り合わせて立体化していきます。最終的には輪ゴムで仮止めして、固定を行います。
07箱組み(ペーパーがけ)
板を接着させた後に、凹凸をなだらかにするためにサンドペーパーをかけます。機械化はされているものの、職人が手を使ってならすことには変わりなく、最終的には職人の感覚で仕上げる工程となります。
07面取り
ひとつひとつ手作業で、カンナがけを行なっています。おそらく江戸時代から変わらない光景で、受け継がれた職人の手作業です。カンナの音が気持ちよく鳴り響きます。
08木蓋と身に分ける
身も蓋もない状態の立方体の箱を切り分けて、蓋と身に分けます。最初から蓋と身を別々に作り上げるのではなく、一体化した箱を切り分けて作るのです。
09-01後加工(ヤロウ入れ)
ヤロウとは印籠とも言い、蓋の立上り部分で、これがあることで蓋が身の部分に固定される構造となっています。密閉度を高めるためには技術を要する工程で、蓋にちょうど合う板を4枚貼り合わせていきます。最後に支えとなる板を貼り合わせた板に押し付けて固定します。
09-02後加工(トノコネリ塗装など)
塗装の一種で当社ではトノコネリと呼んでいます。
09-03後加工(箔押し)
比較的高級な内容物を収める桐箱に使用される印刷技法の一つです。こちらは、印鑑のように版を押し当て、同時に桐箱に着色するもので、印圧によりすこし窪みができるのが特徴です。
09-04後加工(焼き印)
伝統的な技法で、熱した印を桐箱に押し当てて焼き色をつけるものです。こちらも窪みができるのが特徴です。
10蓋つけ・検品
最後に、身と蓋を合わせます。その際に蓋の締まり具合や外観の全体の検査を一つ一つ行います。つっかかる部分があれば、ヤスリやカンナなどで削るなど、最終的な仕上げも行います。